鹿児島市立東桜島小学校

鹿児島市立東桜島小学校

大規模噴火で避難する時,わたしたちはどうすればよいか

~行っが,見っが,聞っが~

1 ねらい

  総合的な学習の時間で調べた桜島の火山活動の歴史や避難経路などをもとにフィールドワークを行い,防災マップにまとめる活動を通して,自分の住んでいる地域の課題や取組について考え,防災意識を高めさせる。

2 活動の概要

 ・ 総合的な学習の時間に桜島の火山活動の歴史や避難経路などの調べ学習を行う。そして,防災に関する課題意識を連続的にもたせながら自分の住んでいる地域の課題や取組について探究的に考える。

・ 廣内先生(信州大学教育学部教授)の研究室の協力により,防災教育用アプリ「フィールドオン」を利用する。その際,鹿児島市危機管理課と連携し,ハザードマップと連動させた「フィールドオン」アプリを活用する。

 ・ 「フィールドオン」アプリを活用し,フィールドワークでタブレット端末に撮った写真を友達同士で共有し,防災マップにまとめる。その後,防災学習成果発表会で県外の人や地域の人などに調べたことを発信する。

 

3 総合的な学習の時間の流れ

 1学期(4月~7月)  桜島の火山活動の歴史についての調べ学習(本,インターネット)

        6月   砂防教室(桜島国際火山砂防センター)    

 2学期(9月~12月) 防災計画についての調べ学習

             鹿児島市危機管理課に『フィールドオン』アプリの背景図の設定依頼

(背景に避難施設と土砂災害警戒区域を入れてもらうようにした。)

 11月       『フィールドオン』アプリを活用したフィールドワーク

           ・退避舎,避難港,避難所(高齢者福祉センター),退避壕

           ・避難した人へのインタビュー

 1月        火山爆発避難訓練

 1月下旬      マップ作成

 2月上旬      発表に向けた資料作成

 2月18日     長野県清野小学校とオンライン交流

 2月27日     防災学習成果発表会

4 火山活動の歴史,砂防について

 桜島の火山活動の歴史を調べるために,学校図書館の本を活用したり,桜島国際火山砂防センターを見学したりした。桜島国際火山砂防センターでは,桜島ミュージアムや砂防センターの方から桜島の歴史,大正噴火の前兆や被害,砂防の役割などについて話を聞いた。また,VR体験で桜島火口付近の様子を見ることができた。土石流の実験では,砂防がある場合とない場合の被害の違いを比べ,砂防の大切さを改めて感じることができた。

【砂防教室の様子】

【VR体験】

【土石流の実験】

5 避難経路

 鹿児島市のホームページで調べたり鹿児島市危機管理課の方から話を聞いたりして,桜島が大規模噴火した場合の避難の仕方を調べた。警戒範囲の距離によって島内避難と島外避難に分かれており,島外避難では,3つの避難方法があることがわかった。

<島外避難の3つの方法>

①基本的避難方法(バス停へ⇒バス乗車⇒フェリー⇒避難所)

②陸路避難方法(バス停へ⇒バス乗車⇒陸路で外回り⇒避難所)

③海上避難方法(避難港へ⇒船⇒避難港)

     

【鹿児島市危機管理課の方の話】

6 『フィールドオン』アプリを活用したフィールドワーク(退避壕,退避舎,避難所,避難港)

  校区内にある退避壕,退避舎,避難所,避難港について鹿児島市危機管理課の方に説明してもらいながら,信州大学の先生方と一緒にフィールドワークを行った。また,『フィールドオン』アプリを活用しながらフィールドワーク中に危険箇所や安心,安全な場所をカメラで撮り,防災マップを作成した。

7 校区内防災マップ

8 避難した人へのインタビュー

  防災学習を進めていくにつれて,自分たちにできることはないのかという課題意識をもつようになってきた。そのため,実際に避難したことのある地域の方にインタビューを行い,避難した時の様子や避難した時に困ったことを聞いてみた。話を聞くことで避難中は自分の命が最優先であること,避難した後の避難所で協力・譲り合いができないかという考えをもつようになった。

9 児童の感想

○防災発表を聞いて,清野小学校からは,「実際に避難してみることが大切」ということを知り,城南小学校は備えについてくわしく説明し,小谷小学校は街の復興と避難について,軽井沢西部小学校は,実際に実験を行っていたので学ぶことが多かったです。

これまでの防災学習で,災害に備え,災害後の復興,後世に伝えることが大切だと考えました。これからは,家族と避難について対策をし,災害に備えたいです。城南小学校の「自分も守り,みんなも守る」という考えがみんなにも広まってほしいです。(6年生)

【防災学習成果発表会】

○これからもまだ頭の中に残っている疑問などを解決していきたい。私たちの火山災害だけでなく,長野県の様々な災害について知ることもでき,これまで「雪が降るとうれしい。」という考えだったけれど,雪が降ることで,融雪型火山泥流という災害が起きたり,地震や水害の怖さも知れたりして他校の防災の仕方を知ることができた。1学期からの防災学習だったので,1年間の成果を発表会で発揮することができてよかった。桜島の防災学習をこれからの生活にいかしていきたい。(5年生)