【千曲市立埴生中学校】3-2オリジナルの防災マップを作成して、地域に発信しよう(令和5年度3年2組)

【千曲市立埴生中学校】3-2オリジナルの防災マップを作成して、地域に発信しよう(令和5年度3年2組)

 1 はじめに

 本校は、千曲市中央部にあり、千曲川の右岸に位置する。

 ・2019年台風19号災害では、校庭をはじめ、浸水の被害を受ける。

 ・本校生徒は、小学校高学年時に被災しており、本校に避難をした経験をもつ生徒もいる。

 ・学校および学区のほぼ全体は、令和3年4月作成の千曲市ハザードマップでは全域で氾濫流による家屋倒壊が想定されており、想定浸水深も5mから10mが予測されている。

2 本年度の取り組み

 1 総合的な学習の時間(防災マップづくり)

  ①ねらい ・様々な災害に備え、起こりうる災害に対しての知識をつける

・自分たちが住む埴生地区の危険な場所、安全な場所を知り、災害から命を守るために自ら行動できるようにする

・学んだ知識をもとに、埴生地区の防災マップを作成し発信することで、地域に貢献する

  ②活動日 5月~11月(フィールドワークは5月30日、9月7日)

  ③参加者 3年2組(28名)

  ④展開 

5月・令和元年台風19号災害での生徒の実体験をまとめる
・千曲市役所 危機管理防災課の方から台風19号について、当時の様子や発生原因などを学ぶ ・避難所開設体験を実施
・学校を避難所と想定し、マップ上で避難者の割り振りやスペースの利用など運営方法を考える
6~8月・土砂災害、地震、水害が発生する原因、被害、対策をそれぞれ学習
9月・フィールドワーク
実際に地区を歩き、「フィールドオン」を用いて危険なところ、安全なところを写真に撮り、コメントを残す
10~11月  ・防災マップ作り 写真とコメントを見直し、多くの人に伝わる内容に変えていく
・11月18日、月の都ふるさと千曲発表会にて全校、地域に発信
・校内に防災マップを掲示

  ⑤生徒の様子

   ・台風19号災害で被災した生徒が学級の半分ほどいるため、当時の経験を語りながら積極的に

    活動できていた

   ・フィールドワークでは、地域に危険が多くあると気づく生徒が多かった

   ・学習を始めた当初と比べると、災害に対しての関心が高まった

  ⑥生徒の感想

   ・いろいろな人が防災マップを使ってもらえると嬉しい

   ・身の回りの危険に気づくことができた

   ・自分の家の周りにも、意外と危険があった

   ・最初は防災マップを作っても見てくれる人が少なそうで、必要ないんじゃないかと思った

    けど、実際は危険な場所、安全な場所がわかりやすく、この防災マップがあったらすぐ避難

    でき命を守れると思った。

   ・災害が起こったとき、ここにいたら危ないということがわかった。これからに生かしたい。

   ・作った防災マップを、保育園や小学校にも渡したい。 

 2 月の都千曲ふるさと学習発表会に向けた取り組みと当日の発表について

  ①ねらい  

   ・全校、地域の方に向け防災学習の内容を発信することで、災害や埴生地区の危険な場所、

    安全な場所を知ってもらう

   ・防災意識を高め、対策ができるようにする

  ②活動日 11月18日(土)

  ③参加者 3年2組(28名)

  ④生徒の様子

   ・10月より発表準備を進め、聞く人が自分の家の近くはどこが危険なのだろう、と考えられる

     ように内容を決めていた

   ・写真や図を使って伝える工夫をしていた

   ・3学年代表として、防災学習始まりからマップ作りまでをスライドを用いて発表した

   ⑤生徒の感想

   ・緊張したけど、良い発表になったと思う

   ・スライドを何人かで作って、大変だったけど伝わりやすい工夫になった

   ・聞いていた小学生がたくさん防災マップの感想を言ってくれて驚いた

3 終わりに

 「家の周りに危険な場所がたくさんあった、全然知らなかった」という生徒の率直な感想を聞き、地域のことを知り、災害に備えていくことの大切さを実感した。家にいる時、登下校時などに災害が発生した場合、災害の種類によって逃げ方や逃げる場所が変わってくることを学び、どの道を通ったら良いか考える生徒の姿が見られた。一人ひとりの防災意識が高まった学習であったと感じている。この経験を基に、この先も自分や家族や周りの人の命を守るために考え、行動してほしい。